豚皮を鞣した(動物の皮を製品用に柔らかく加工することをなめすと言い、皮から革へと漢字も変わります)革のこと。明治末期に東京の木下川(きねがわ)地区で豚皮のタンニン鞣しが始まったことがルーツであり、現在でも同じ地域で国内の豚革のほとんどを製造しています。ただし、製法はタンニン鞣し(植物鞣し)から、今ではより柔らかく、長持ちするクロム鞣しへと進化しています。
豚革はその使用方法によって、仕上げ方が分けられます。
スアゲ(素上げ)
豚革の風合いをそのまま生かし、水染めで仕上げます。カジュアル感がひきたちます。
アニリン染め/ラッカー仕上げ
豚アニリン革は、合成染料により、スプレーで仕上げた商品です。色落ちがしにくく、色ぶれが少なくなります。ラッカー仕上げにくらべ、アニリン染めは染料が薄く、透明感があります。
起毛仕上げ
豚のスエードは甲革用として使うことが多く、ペーパー(紙ヤスリ)掛けされて、しなやかさと高級感ある仕上がりになります。